本研究は画面上を移動する視標を足圧中心(COP)で追従し、その正確性を評価する「視標追従テスト」によってヒトの重心制御能力の加齢変化および転倒リスクとの関係を明らかにし、高齢者の転倒リスクに関する評価方法を提案することであった。「視標追従テスト」には加齢変化が認められ、転倒リスクの高い高齢者は前後方向よりも左右方向の重心制御能力が低くかった。しかし、転倒リスク調査(都老研、ADL等)との相関は強くはなかった。以上のことから高齢者の転倒リスクをスクリーニングする場合、横方向の「視標追従テスト」の成績がひとつの目安となる可能性が示唆された。
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