本研究では磁性イオン液体をカーボンナノチューブ細孔中に閉じ込めることで高い磁場応答性を示す機能化ナノカーボン材料の合成を目指し、バルクとは異なる磁場応答性についてXRD及び分子シミュレーションによるミクロな視点から解明することを試みた。カーボンナノチューブ及び活性炭素繊維細孔中における1-エチル-3-メチルイミダゾリウム テトラクロロフェラートはバルクとは異なり、3.8 Kでの常磁性-反強磁性転移を示さないことがわかった。磁性イオン液体構造の解析のために、ハイブリッドリバースモンテカルロシミュレーションを適用することで、ナノ細孔中で磁性イオン液体の形成する特異な構造を明らかにした。
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