本研究は,都市における「農」を活かしたライフスタイルのあり方やそれを支えるアクターの役割について考察することを目的とした。名古屋大都市圏の中心都市(名古屋市・岐阜市・豊橋市)では,食や農に係るアクターは多様であり,様々な実践やそこから派生した活動により,ファーマーズマーケットや直売所,観光農園,アンテナショップなどは新たな役割を果たすようになっていた。また,それは,生産者や消費者に対して,地域課題の解消や解決に向けて主体的に活動する「市民」としての意識を高めることを促し,そのことが,都市における農業の存続や「食」に関連する諸活動の社会的な意義を高めていることが明らかとなった。
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