ポリ乳酸は環境・生体に優しい高分子として利用が期待されている。本研究では、ポリ乳酸が溶媒分子と形成する複合体結晶を利用して容易に形成する高分子ゲルに関して、その構造や物性を評価することを目的とした。 ポリ乳酸は複合体結晶を形成することで直径100 nm程度の微細な繊維構造を形成することで溶媒分子の流動を抑制し、ゲル化することが分かった。一旦、複合体結晶によって微細な繊維構造を形成すれば、その後に複合体結晶以外の結晶形に変化しても微細な繊維構造を維持し、ゲル状態を保つことも見出した。これを利用して、ゲルの耐熱性を向上させることに成功した。
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