過去の海洋ではMg/Caが大きく変動したと言われる。先行研究によりアラゴナイト骨格を持つサンゴが、低Mg/Ca海水でカルサイトの骨格を形成することが報告された。本課題では、水温変化がサンゴのカルサイト骨格生成に及ぼす影響について調べた。X線回折およびMeigen染色によりアラゴナイトおよびカルサイト含量を見積もったところ、Mg/Ca比が5.2の海水中では100%アラゴナイト、Mg/Ca比1.0および0.5でアラゴナイトとカルサイトの混合骨格およびカルサイトのみの骨格が確認された。各Mg/Ca比において、温度が高いほどアラゴナイトの含量が増加し、無機的な炭酸カルシウム沈殿と同様の傾向であった。
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