精神科デイケアは、精神科外来を基盤とし、医療と地域生活をつなぐ継続医療としての重要な役割がある。特にデイケア導入期においては、中断率が高いことが示されているにも拘らず、精神科デイケア導入期の早期リハビリテーションの効果検証や効果的な看護支援を明らかにした研究は見あたらない。よって本研究の目的は、精神科デイケア導入期における看護支援を包含した早期リハビリテーションの評価方法を明示するとともに、効果的な看護支援を解明することである。研究プロセスは、3段階で構成される。第1段階は、精神科デイケア導入期における必要な看護支援を導くため、導入期利用者の体験を明らかにした。結果、9のカテゴリーに分類されるが抽出され、利用者は、デイケアという初めての空間で戸惑い、他者との関わりを閉ざしながらもプログラムの参加を通して適応しようとしていたことが明らかになった。 第2段階は、導入期の看護支援を数量的に明示するために、評価指標の作成を行った。具体的には、前回の科学研究費助成で行った「精神科デイケア導入期における看護ケア内容」、第1段階で明らかにした「精神科デイケア導入期における利用者の体験」、さらに精神看護に関するケア分類の文献を渉猟し、41項目からなる「精神科デイケア導入期における看護ケアリスト(案)」を作成した。続いて、第3段階では、全国の精神科デイケア看護師を対象に、看護ケアリスト(案)を用いて、ケアの必要性と実態について質問紙調査を行い、信頼性と妥当性が示された33項目からなる「精神科デイケア導入期における看護ケアリスト」を作成した。平成31年からデイケア導入期リハビリテーションの評価方法を検討し、本研究で明らかにした導入期の看護ケアリストを包含した研究に着手している。
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