研究実績の概要 |
in vivoの解析 肥満、2型糖尿病、脂肪肝発生の表現系の解析として、3, 10, 15, 17, 20ヶ月齢のGADD34KO マウスとWT マウスを比較して解析肝臓と脂肪組織の組織学的解析、 血清生化学検査測定 、脂肪量測定、Glucose tolerance test, Insulin tolerance testを行い、この結果からGADD34の発現がマウスの肥満抑制に関与することを確認した。また、脂質過剰生成の状態を作るため若齢マウスにHFDを摂餌し、WTとKOマウスで比較したところ、KOマウスでは脂肪肝形成が早く、インスリン抑制が早い段階で認められた。 GADD34によるミエロ系細胞による炎症の抑制については既に報告しているが、本実験系においてもマウスの肝臓や脂肪組織中のミエロ系細胞の解析を行い、GADD34はこれらの細胞浸潤による炎症を抑制することで、2型糖尿病や脂肪性肝炎を抑制していることが示唆された。さらに詳細なメカニズムの解析を行うため、マウスの肝臓と脂肪組織のシグナル伝達系(インスリンシグナル伝達系、及び増殖因子による増殖シグナル伝達系)のウェスタンブロッティングを行ったことろ、若齢マウスではKOマウスの方が若齢でインスリンシグナル伝達系が促進しており、加齢やHFD摂餌とともにWTに比べて顕著に低下することを明らかにした。 in vitroの解析 GADD34がインスリンシグナルのどこに関与しているかを詳細に検討するため、MEFを用いてインスリン刺激、脂肪酸刺激などを行い、GADD34がインスリンシグナル伝達系を抑制している可能性を明らかにした。更に、肝細胞培養の系を立ち上げ、若齢マウス、老化マウスともに肝細胞の培養を可能にした。
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