研究課題
前年度8月,当初予定通りに肝細胞を用いた解析を行い,MEF及び肝細胞を用いた免疫沈降の条件を検討してみたが,予定していた抗体では非特異的結合が多く,GADD34と結合するタンパクを検出できなかった.そこで本年度は、Flag 及びMycのタグ付きGADD34発現ベクターを作製し,HEK293細胞に遺伝子移入を行ってGADD34の強発現をさせ,Flag 及びMyc の抗体を用いてGADD34と結合するタンパクを検索することとした.結合タンパクを検出する前に,GADD34強発現HEK293細胞にインスリン刺激してインスリンシグナル伝達系をWesternで検討した結果,GADD34強発現HEK293細胞では,GADD34遺伝子欠損マウスの肝細胞とは逆に,インスリン刺激によるInsulin/IGF1レセプターのリン酸化が抑制されていることが確認できた.さらに,GADD34の強発現によって,グルコースからの代謝系において脂質合成系が促進することも確認された.GADD34遺伝子欠損マウスでは,Insulin/IGF1シグナル伝達系が亢進し,脂肪増加により肥満になることが確認されており,本研究結果は,これまでのin vivoの結果と一致したため,この現象のメカニズム解明に大きく寄与した.また,Flag 及びMycの抗体を用いて,免疫染色によってGADD34の発現部位を検討したところ,インスリン刺激後は細胞膜に強く発現し,その局在を確認したところ,細胞膜に発現するcaveolinやInsulin/IGF1レセプターとGADD34の発現部位は同じようなところに発現している可能性が示唆された.以上より,本年度の研究によって,GADD34は細胞膜に局在し,Insulin/IGF1レセプターを直接制御している可能性が示唆された.
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Word Journal of Bioligical Chemistry,
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