研究課題/領域番号 |
26870258
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田崎 勇一 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10547433)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | マルチロボット / 行動計画 / 不確かさ |
研究実績の概要 |
主として以下の二項目に取り組んだ.第一に,三次元レーザ測域センサを搭載した移動ロボットを用い,環境のトポロジー(位相幾何学的な形状)の変化に対してロバストなナビゲーション手法を提案し,屋内実験にてその評価を行った.具体的には,屋内の廊下や通路の交差部に予期しない(地図に載っていない)物体が存在するとき,その物体により生じる環境のトポロジの変化パターンを分類し,それぞれの場合において計画されたルートから逸れずに目的地点まで到達する方法を考案した.屋内実験の結果,小規模な人工環境において手法の有効性を確認した. 第二に,当該年度に計画されていた「不確かさを考慮したマルチロボットの軌道計画」については,ロボット群の相互測位にもとづく位置推定や地図生成について取り組み,主に実機を用いた実環境における評価を行った.具体的には,小型移動ロボットプラットフォームにレーザ測域センサと光学マーカを搭載した実験用ロボットを複数台製作し,屋内環境において評価を行った.その結果,提案した移動手法を用いることにより,各ロボットが単独で走行する場合よりも位置の誤差の累積が低く抑えられることがあるていど確認できた. また,上記の成果を以下の国内会議にて発表した. ・亀井,田崎,鈴木「環境のトポロジー変化に対してロバストな自律移動ロボットのナビゲーション」(ロボティクス・メカトロニクス講演会,京都,2015) ・高島,田崎,鈴木「相互観測における情報利得に基づいたマルチロボットの協調ポジショニングとナビゲーション」(計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会,名古屋,2015)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全体としては概ね計画に沿った進捗が得られているが,成果発表は十分とは言えない. H26年度成果を学術論文にまとめ投稿したが採択には至らなかった. 実用的なレベルの問題への適用可能性を批判されたため,これを受けて手法を再考する必要がある. H27年度実施項目の反省点としては,成果発表が国内会議に限られており 国際会議や学術論文へ結びついていない点がある. また,実機評価が計画していたものと比べてごく小規模な環境に限られてしまっている.
|
今後の研究の推進方策 |
H28年度も引き続き「マルチロボットの軌道計画」に取り組み,適用可能な環境の拡大など完成度の向上に努める. 具体的な達成目標としては,3台の移動ロボットにより建物1フロア分の環境探査および地図生成を行うことを目標に設定する. また,国際会議1件および学術論文1件を目標とする.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度において実施した実験は大部分を既存機器にて実施できたため,計画よりも実験機材関係の支出が小さくなったため.
|
次年度使用額の使用計画 |
主に実験機材の購入・製作費用,および成果発表・情報収集用の旅費に充当する.
|