研究課題
昨年度から引き続き「不確かさを考慮したマルチロボットの軌道計画」について,ロボット群の相互測位にもとづく位置推定や地図生成について取り組み,主に実機を用いた実環境における評価を行った.具体的には,昨年度と同様にレーザ測域センサと無線通信装置を搭載した小型移動ロボットの実験機を複数台開発し,これを用いて建物内の探索・地図生成実験を実施した.フロア全体の地図の生成を目標に設定していたが,実際には一区画のみにとどまり,目標を達成できなかった.制御プログラムの整備に時間を消費してしまったことが原因といえる.一方,研究を通じて協調位置推定の枠組みで行動するロボット群における各ロボットの行動を合意形成にもとづいて分散的に決定する方法の端緒を得た.今後,シミュレーション環境における大規模ロボット群の分散意思決定へ展開していく予定である.成果発表としては,本課題に直接関連する内容の学術講演会や学術論文における発表は行えなかった.この原因としては昨年度からの実験の進捗がはかばかしくなかった点や,卒業による研究従事者の入れ替わりや研究代表者の所属機関の異動による研究実施環境の変化への対応に時間を要した点があげられる.全体として本課題の期間内に結実した成果は少なかったと言わざるをえないが,次年度から開始される関連テーマの新規課題において,本課題で取り組んだ内容も引き続き検討および成果発表を行っていく予定である.
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IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: Vol.E99-A, No.5 ページ: 954-962
http://www2.kobe-u.ac.jp/~tazaki/