研究実績の概要 |
本年度の主な研究成果は以下の3つである: (1)二面体群不変なシュタイナー四重系(Steiner quadruple system)の構成理論として知られる ケーラー理論(Abh. Sem. Univ. Hamburg, 1979)を可算無限集合上のデザインについて拡張した.またモデル理論の融合法(amalgamation)を用いて,有限射影平面を内包しない可算無限射影平面を構成し,有限デザイン理論と無限デザイン理論の相互関係を新たに見出した.一連の成果が,数学の一般誌 Tsukuba Journal of Mathematics に桔梗裕孝氏(神戸大)との共著論文として発表された. (2)ヒルベルト(Math. Ann., 1888)によるエルミート多項式の判別式の明示公式を準エルミート多項式について拡張し,これを用いて,フィッシャー型不等式に関して「ほとんどタイト」(almost tight) な有理的ガウスデザイン (Gaussian design) の非存在命題を証明した(内田幸寛氏(首都大東京)と共同研究).一連の成果を「第34回代数的組合せ論シンポジウム」(招待講演),H29年度九州大学応用力学研究所共同利用研究集会「非線形波動研究の新潮流-理論とその応用-」(招待講演),5th International Conference on Combinatorics(5ICC)(一般講演)などで口頭発表した. (3)(1)の成果を受けて,「神戸 組合せ論・モデル理論セミナー」を桔梗氏他と立ち上げた.
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