概日リズムは多くの生物の多様な活動に見られる約24時間周期のリズムである。植物の概日リズムを生み出す仕組み(概日時計)の分子的な実体解明を目指すため、機能的ゲノム解析を行った。その結果、午後に発現ピークをもつシロイヌナズナの時計遺伝子群の上流に時計タンパク質CCA1が結合することが分かった。さらにCCA1の直接的な標的遺伝子群を明らかとし、その中に環境ストレス応答の鍵となる遺伝子群を多数発見した。これらの遺伝子群の発現は朝に抑制され、夕方に誘導される。言い換えるとCCA1により、これらの遺伝子の発現時刻は夕刻に限られている。本研究により時計機構による遺伝子発現の時刻制御が明らかとなった。
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