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2015 年度 実施状況報告書

木およびグラフ変換における問合せ保存の自動検証

研究課題

研究課題/領域番号 26870270
研究機関名古屋大学

研究代表者

橋本 健二  名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (90548447)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード問合せ保存 / 木変換器 / 木オートマトン
研究実績の概要

本年度は、変換や問合せが非決定性木変換器で表現される場合の問合せ保存の決定可能性について調査を行った。これまでに知られている問合せ保存性は変換および問合せが決定性関数であることを前提としていたが、変換が非決定性関数であることも許すように問合せ保存性の定義を拡張した。具体的には、非決定性変換における問合せ保存性として全称保存性と存在保存性という2つの定義を与えた。全称保存性とは、入力木に対する問合せの結果を、同じ入力木に対して変換によって得られる任意の出力木から、同等の問合せ能力によって一意に得ることが可能であることを意味する。それに対して、存在保存性とは、変換によって得られる出力木のうち最低1本からは、入力木に対する問合せ結果を復元できることを意味する。これらの性質の決定可能性について調査を行った。まず、変換が先読み付き拡張線形トップダウン木変換器の合成で与えられ、問合せが決定性単項2階木変換器(DMSOT)で与えられる場合に、問合せ全称保存性が決定可能であることが証明した。また、問合せ存在保存性については十分条件を与え、その十分条件が判定可能であるような変換と問合せのクラスを示した。さらに、問合せが非決定性関数である場合も考慮した問合せ保存の定義とその決定可能性についても検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存結果より広い変換クラスでの問合せ保存の決定可能性の調査については想定よりは進んでいないが決定可能な十分条件の検討を進めておりある程度の知見は得られている。また、昨年度に取り組んだ、変換・問合せが拡張線形ボトムアップ木変換器と通常のボトムアップ木変換器のクラスでそれぞれ表現される場合の問合せ保存の判定問題の計算量解析の成果を論文にまとめ国内学術誌に採録された。さらに、本年度の成果である、変換として非決定性関数であることを許した問合せ保存性の決定可能性に関する結果についてもすでに国内学術誌に採録が決定している。

今後の研究の推進方策

本年度に引き続いて、非線形な規則も許したトップダウン決定性木変換のクラスにおける問合せ保存の十分条件でかつ決定可能な条件の検討を行う。得られた知見を踏まえて同クラスにおける問合せ保存の決定可能性について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

論文誌に採録が決定している成果や論文の形にまとめる時間が確保できなかった成果があり、それらの論文掲載料や成果発表のための旅費等の経費を考慮して研究費の一部を次年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

本年度中にまとめることができなかった研究成果についての成果発表や論文誌への掲載のために利用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Determinacy and Subsumption of Single-valued Bottom-up Tree Transducers2016

    • 著者名/発表者名
      Kenji Hashimoto, Ryuta Sawada, Yasunori Ishihara, Hiroyuki Seki, Toru Fujiwara
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Information and Systems

      巻: E99-D ページ: 575-587

    • DOI

      10.1587/transinf.2015FCP0015

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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