研究課題/領域番号 |
26870278
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
藤枝 直輝 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30708425)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | FPGA / ハードウェア / セキュリティ / 専用回路 / 難読化 |
研究実績の概要 |
本課題では,産業用機械などのシーケンス制御において広く用いられるPLC(Programmable Logic Controller)のプログラムをハードウェア記述へと変換するにあたり,より解析や盗用が困難なハードウェア記述を生成するための方法の提案と,それらを容易に適用できるインフラの構築を目的としている.平成27年度は,(1) 難読化・ハードウェア化のためのソフトウェアインフラの改良,および (2) ハードウェア化における難読化手法の適用に関する検討を行った.また,(3) 汎用プロセッサ上のソフトウェア難読化・暗号化の要素技術についても,併せて研究を行った. (1) および (2) では,平成26年度に構築したPLCプログラムをハードウェア記述へ変換するツールチェインを利用する方法に加え,一度Cプログラムを経由し,既存の高位合成ツールを用いてハードウェア記述へと変換する方法を新たに検討した.本研究を適用したシステムを構築するにあたっては,プログラムの一部のみハードウェア化し,残りの部分は汎用プロセッサ上で実行することが考えられる.そのため,提案する難読化手法が後者の方法でも実現可能なものであれば,よりスムーズなシステム構築が可能となる. (3) に関しては,平成26年度に行った命令レジスタファイルに関する研究を基に,これをソフトウェアの難読化に用いるためのいくつかの技術について提案した.この研究の成果は査読付国際会議で発表したほか,英文論文「Design and Implementation of Instruction Indirection for Embedded Software Obfuscation(組込みソフトウェア難読化のための命令間接化の設計と実装)」として論文誌に採録された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画ではPLCプログラムを直接ハードウェア記述へ変換するツールチェインを構築することを検討していたが,よりスムーズなシステム構築のため,既存の高位合成ツールを用いた方法も用いることとした.この手法の検討に少し時間を要したが,今後,これらを用いた難読化手法の適用により成果をあげられる見込みである.一方で,(3) で述べた汎用プロセッサ上の難読化・暗号化の要素技術については,一定の成果をあげている.したがって,総合的には本研究は概ね順調に推移していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,ハードウェア化における難読化手法の適用・評価を早急に進めるとともに,汎用プロセッサ上の難読化・暗号化の要素技術についても,継続して研究を行う.これらの知見をもとに,PLCプログラムのハードウェア化による秘匿化・難読化手法,およびそれを実現するインフラについて提案し,必要に応じ成果発表を行う.
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