研究課題/領域番号 |
26870279
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
環境リスク制御・評価
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
相田 慎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60345957)
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研究協力者 |
箕輪 はるか
菅野 理紗
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 社会言語学 / 科学コミュニケーション / リスクコミュニケーション / 東日本大震災 / 原発事故 / ナラティブ分析 / ソーシャル・キャピタル / 科学技術社会論 |
研究成果の概要 |
東日本大震災の原発事故後の福島県いわき市において、研究者ら(専門家)と地域住民(非専門家)の“交流”によって、小さなリスクコミュニケーションの実践を行った。小学校で、児童らと保護者らとで同じ内容の講演を行い、児童の感想文では、放射線に関する科学への好奇心が強い傾向であった一方、保護者の感想文では、日頃の放射能への不安が大きい傾向を認められた。その様子を撮影したビデオを、言語・非言語のコミュニケーションを詳細に分析した結果、保護者は放射能を「トランス・サイエンス」(科学に問うことが出来るが、科学によってのみでは答えることが出来ない問題群)として暗に捉えている可能性があることが解った。
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自由記述の分野 |
社会言語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東日本大震災による原発事故後、放射線の専門家らによる正確な情報提供、並びに、マスメディアや SNS などで生じた誤謬・流言の訂正が求められたが、それらは必ずしも成功したとは言えなかった。 その問題点を解消するために、研究代表者ら専門家は、いわき市住民らと、立場関係なく、より放射線について解りやすく伝える方法について話し合った。そして、実際に幾つかのアウトリーチ活動を実践し、その場において、正しく伝えることが出来た。加えて、「正しく情報を伝えられたメカニズム」を解明するために、アウトリーチ活動の場面を詳細に分析した。その結果、活動場面の分析は、リスクコミュニケーション改善に効果があると示唆された。
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