本研究では、プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)関連タンパク質の一つであるP5の特異的活性阻害剤として低分子化合物スクリーニングから得られた候補化合物を用いて、癌細胞におけるP5の機能を解明する。また、癌細胞の増殖に及ぼす影響、殺細胞効果を調べ、癌細胞におけるP5の特異的阻害による新たな抗癌標的療法の可能性を提示することを目的としている。平成27年度は、主に下記の研究内容を行った。 (1)H26年度で選択された候補化合物の癌細胞、正常細胞に対する殺細胞効果の検討を行った。また、H26年度で選択された候補化合物の癌細胞からの可溶性MICAの分泌におよぼす影響を確認した。 (2)殺細胞効果が確認された候補化合物に対して、既存の抗癌剤である5-FU、テモゾロミド、パクリタキセル等との併用効果の検討をin vitroにおいて行った。
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