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2014 年度 実施状況報告書

土地利用と過放牧の因果関係に関する空間計量経済学的研究~カザフスタンを事例として

研究課題

研究課題/領域番号 26870298
研究機関京都大学

研究代表者

北野 慎一  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20434839)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード土地利用 / カザフスタン / 放牧 / 共有地
研究実績の概要

平成26年度の主な研究実施内容は、(1)カザフスタンにおける農業関連施策のレビュー及び公的統計データの分析を行い、ソ連解体後のカザフスタンの農業の現状を明らかにするとともに農村地域における実証分析に向けた分析フレームワークの構築を行うこと、(2)現地調査を行い、農村部における牧畜活動の現状及び村周辺の共有地の利用状況と土地劣化の実態を明らかにすること、の2点であった。
(1)の成果については以下の通り。1991年の独立以後、ロシアの影響下でソ連を構成していた他の共和国との分業体制が維持されていたが、1993年の国家独自通貨の導入を機に、計画経済から市場経済へと大きく転換し、農業分野においても本格的な民営化政策や土地改革が開始されている。本研究では、農家を農業企業(agricultural enterprises)、専業農家(country (farmer) economy)、兼業農家(population economy)に区別し統計整理を行った結果、カザフスタンでは専業農家より兼業農家が家畜を多く所有する現状が明らかとなった。
(2)の現地調査の成果としては、兼業農家の多くは所有家畜ための放牧地を持たないため、村周辺の公共地に家畜放牧を通年行っている可能性が高いことが明らかとなった。また、専業農家についても利用可能な放牧地を遠方に所有しているにもかかわらず有効利用されていない。移動放牧については、農家の実施意欲は高いが、時間経過による放牧ルートの喪失や放牧コストの問題により、実際に実施する農家はごく少数に限られている実態が明らかとなった。
以上を踏まえ、マイクロデータに基づく計量経済学的な分析フレームワークを現在構築中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

概ね順調に推移しているが、分析に有効な空間データの入手が困難であり、その調査設計のため、H26年度中に実施予定であった農家調査はH27年度前期に実施する予定である。

今後の研究の推進方策

分析に用いる農家調査データをH27年度前期中に実施する。聞き取り項目は、①経営状況、②農地の所有状況、③共有地・放牧地の利用状況、④過放牧に対する認識等である。
得られたデータを用い、農家の経営属性と過放牧発生との因果関係について空間計量経済分析を行う。具体的には、経営内容(規模や専業/兼業の別等)や土地の所有状況、共有地・放牧地の利用状況等が過放牧の発生とどのような影響を与えているかを実証的に分析する。

次年度使用額が生じた理由

現地におけるマイクロデータ収集のためのアンケート調査の実施が、遅れているため。

次年度使用額の使用計画

H27度前期中には、アンケート調査を実施し、残額の大半を執行する予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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