カザフスタンでは経済発展により都市農村格差が拡大し、農村部の畜産農家は自給的生活を迫られ、結果的に高コストな移動放牧が実施できない状況にある。土地利用と土地劣化の状態を空間的に把握することにより、特に村周辺の共有地において放牧圧が高まり土地劣化が進んでいることが確認された。 農家の共有地への放牧行動については、資産状況や放牧に対する知識が大きく影響を与えていることが明らかとなった。さらに体制移行後、農地の利用権を農民に開放したものの、農家の権利に対する意識や知識があいまい且つ不十分であるため効率的な土地利用が進んでいないことが明らかとなった。
|