我々が見出した新規のアクチン繊維架橋タンパク質「カプリース」は、1)生化学的に高度に難溶性で、2)ノックダウンや過剰発現で細胞の形態を大幅に変化させ、3)特定の細胞種にしか発現していない、という特徴的な性質を持つ。本研究で我々は、高濃度のカプリースタンパク質が溶液中でゲル化することを示し、ゾル→ゲルという相転移を起こすことによってアクチン骨格に特殊な性質を与えている可能性を見出した。更に、カプリースの発現様式の詳細な解析やノックダウンによる細胞形態や細胞接着における影響を解析し、このタンパク質が細胞骨格の制御において重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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