本研究の目的は磁壁駆動におけるDzyaloshinskii-Moriya相互作用(DMI)の影響を調べることであった。初年度は実験装置を構築した上、DMIの大きさを定量的に見積もる方法を提案した。さらに、磁壁を利用した共振器が可能になることを証明した。FY 2016にはDMIが磁壁駆動に与える影響を本格的に調べた。その結果、DMIが存在すると、磁壁ダイナミクスがソリトン的な様子を表すことを証明した。さらに、ソリトン的な磁壁駆動の場合は2次元の運動も1次元と同じような解析ができることが分かった。一方、フェリ磁性体の磁壁駆動の測定を行った結果、DMIの存在可能性を示した。
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