鮨屋、ファストフード、イタリアンレストランなど多様なサービスにおける提供者と客の間のインタラクションを、ビデオに記録し分析するエスノメソドロジー研究を実施した。従来サービスは客の要求を理解し満足させるものであると捉えられるが、サービスとは自己を提示し交渉していく過程と考えるべきであると提案した。特に客と提供者の間の弁証法的な関係に着目し、サービスとは闘争であるというテーゼを掲げ、サービスを基礎から捉え直した。さらに、従来人間中心設計を踏襲してきたサービスデザインに対して、十全の主体の要求を満たすのではなく、特定の主体になっていく主体化の過程をデザインする人間〈脱〉中心設計の考え方を示した。
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