最終年度として、これまでの成果を国際学会で単独発表するとともに、書籍化にむけてこれまでの業績を編集することに取り組んだ。また、同時に今後の新たな研究フィールドとして、オーストリア・ウィーンにおける当事者運動にかかわる方々との新たなネットワーク構築に取り組んだ。 まず、国際学会における成果発表としては、4月にアメリカ・ポートランドにおけるPSA(パシフィック社会学会)にて"Comparative study of the feedback to the nomenclature change of Intersex to DSD (Disorders of Sex Development)"として、インターセックスと性分化疾患(DSD)という名称変更に対する反応の違いの比較研究について行った。また、9月にイスラエル・エルサレムで開催されたEuroPSI(ヨーロッパインターセックス心理学会)においては、"The structure of Intersex/DSD Discourse in Japan"として、日本におけるインターセックスと性分化疾患(DSD)をめぐる言説構築について単独発表を行った。 これまでの成果を書籍化するために、出版社と打ち合わせを行い、1年後の出版に向けて取り組んでいる。 本研究を統括したのちの、今後の新たな研究テーマとしてこれまで米国中心で発展してきたインターセックス/性分化疾患(DSD)運動とは異なる動きとして、ヨーロッパにおいて特徴的な取り組みを行っているオーストリアの当事者活動参加者との新たなネットワーク構築を行った。8月に現地を訪れ、代表・創立者と面談し、今後の研究協力にご同意いただいた。
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