有機薄膜太陽電池の特性を理解するにあたり、光電変換プロセスと密接な関係を有する「バルクヘテロ構造」と呼ばれるドナー・アクセプター混合状態を明らかにすることは重要である。本研究では、固体核磁気共鳴法を中心とした分光学的手法を用いて、変換効率の高い混合系のナノオーダーにおけるバルクへテロ構造を詳細に解析し、その構造と特性の相関解明を行った。素子の変換効率は作製プロセスによって、2%から6%近くまで向上し、その特性向上の要因が有機膜内におけるドナー材料の秩序化と相分離構造の変化により、電荷分離と電荷輸送に最適なバルクヘテロ構造となったことであると考えられる。
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