適切な受診や円滑な医療コミュニケーションの構築に資することを目指し,一般人(非医療従事者)と専門家(医療従事者)のそれぞれにおいて,医療行為に対して持つリスク認知の構造を明らかにすること,リスク認知と医療行為の個人的な受容との関連を検討すること,医療行為から想起されるリスクの違いを明らかにすることを目的に本研究を行った。一連の研究から,一般人と専門家間および多職種の医療従事者間で,リスク認知の構造と構造の堅固さに違いがあること,リスク認知と医療行為の個人的な受容には関連が見られるが関連が大きな因子や様相には違いがあること,医療行為に伴い生じうると想定されるリスクには特徴があることが示された。
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