臨床検体からの網羅的な病原体探索法として、次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析法が利用されている。本手法は臨床検体から抽出した核酸のシークエンサーによる網羅的解読、解読した配列のGenBank塩基配列データベースに対する相同性検索(BLAST検索)、および系統分類解析から成る。しかし、シーケンサーから得られる配列数は莫大な数であり、相同性検索は大型並列計算機を用いても時間を要することが問題である。そのため本研究では、ヒトおよび病原体と成りうる微生物(ウイルス、細菌、真菌、原虫)で構成される病原体探索用データベースの構築とともに相同性検索法の改良を行い、より迅速な病原体同定法を確立した。
|