研究課題/領域番号 |
26870333
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松嵜 順子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (00634172)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム / 脳磁図 / 脳機能 / 感覚特性 |
研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム(Autism spectrum disorder;ASD)児(者)は主に対人的コミュニケーションと相互作用の障害と限局された反復する行動や興味に特徴づけられる神経発達障害であるが(APA,2013)、それらの症状の程度や質は多様であることから、ASDを単独疾患群として捉えるのではなく特性別に検討を構築する必要性がある。ASD児(者)の多くに視覚処理と聴覚処理との間に優位性が認められることが報告されており、生活支援場面においても言葉での説明に加えて写真や文字を示すといった視覚支援の有用性が周知されている。 ASD児の情報処理に関する過去の報告においては、視覚、聴覚のモダリティ別に検討が行われており、それらのアンバランスさが個人内でどのように生じているのかは検討されていない。実生活場面では、視-聴覚のモダリティを同時に活動させ、情報の入力から統合・処理を行われることから、同一対象者に、視覚課題、聴覚課題、視-聴覚課題を実施することで、個人内におけるモダリティの活動状態を捉える必要があると考える。さらに、ASD児と定型発達児の比較検討による報告が多く、得られた結果がASD児におけるどのような特性を反映しているのかは明らかといえない。そこで我々は、ASD児の特性評価を元に聴覚処理優位、視覚処理優位のグループを設定し、課題提示時の脳活動との関係について検討することを通じ、脳磁図を用いたASD児の感覚優位性の客観的かつ定量的な評価方法の開発に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各課題の作成が終了し、対象者の選定、行動評価、計測が進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
計測後の解析を進めると同時に、行動評価との関係について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度計測を予定していた対象者数に満たず、引き続き計測を実施するため。
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次年度使用額の使用計画 |
脳磁図計測費用、謝金、研究成果報告のための費用として使用する。
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