本研究は、細胞内において膜蛋白質や分泌蛋白質を輸送する小胞と細胞膜との融合に働くSNARE分子であるSNAP23の個体における機能を解明することを目的とし、組織特異的遺伝子欠損マウス(KOマウス)の解析を行った。 神経特異的SNAP23 KOマウスでは大脳皮質や小脳の形成不全が観察され、SNAP23が胎生期の脳の組織形成に必須の分子であることが示唆された。 一方、膵内分泌腺特異的SNAP23 KOマウスではグルコース刺激後の膵β細胞からのインスリン分泌が増加することが明らかとなり、SNAP23がインスリン分泌に抑制的に働いていることが示唆された。
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