本研究では細胞の活動依存的な分化、成熟過程について検討を行った。光応答性イオンチャネルを筋芽細胞に発現させて筋線維に分化させると、青色光に同期した活動電位の発生と収縮活動が誘発された。未熟な筋細胞に対する光刺激は筋収縮構造の構築を促進し、収縮応答能を獲得することを見出した。分化誘導初期の筋芽細胞への刺激は細胞融合を制御する遺伝子の発現を亢進させ、筋管細胞の成長、肥大化を引き起こした。本研究で確立された骨格筋細胞の光制御は運動神経の主要な機能を光で代替できることを示し、筋組織の発生や再生のメカニズム研究への応用や筋疾患治療技術の創出に寄与するものと期待される。
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