本研究は、宝塚歌劇の台湾の観客の観点から、宝塚歌劇と他の日本の女性向けポピュラーカルチャーに共通する特徴を分析することで、それらで提供される女性の理想の男性像の性質と、そのような男性像の表現を可能にする特徴を明らかにするものである。 宝塚歌劇の男役と、少女漫画の男性キャラクターと、日本の男性アイドルにおいては、外見に女性的な要素があることが、女性的な心や立場を持つことと直結しない。それらでは、ジェンダーの様々な側面が切断され、組み替えられている。それが可能になる理由の一つは、それらにおける「西洋」という要素によると考えられる。そこでの「西洋」は、女性にとっての夢の世界として機能している。
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