| 研究課題/領域番号 |
26870351
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
児島 貴徳 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70725100)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 希土類 / フォトニック結晶 / 発光制御 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，希土類添加半導体とフォトニック結晶の融合により，フォトニック結晶によって制御された光子モード下における希土類イオンの発光特性評価およびそのデバイス応用に向けた検討を目的とする．フォトニック結晶と組み合わせる発光体として量子井戸や量子ドットを用いた報告は既に多数存在するが，希土類イオンを用いた報告は無く，未知の領域と言える．本研究ではまずフォトニック結晶による光子モード制御下における希土類イオンの光学特性を明らかにし，得られた知見を元に発光デバイスへの展開，具体的には発光ダイオードの輝度増大や，希土類イオンを利得媒質とする，発光波長の温度依存性の極めて小さいレーザの実現を目指す．
今年度は，本研究で用いる希土類であるErの発光波長(1538nm)に合った動作波長をもつPC構造を計算機シミュレーションにより設計した．PCの設計においては，時間領域有限差分法(FDTD法)による電磁界解析が有効である．例えばレーザ発振のためには高いQ値をもつ共振器を用いる必要がある．従って，Q値が高くなるような点欠陥の設計は重要である．そこで，点欠陥の種々のパラメータを振って計算を行うことで，Er発光波長にマッチし，かつ10万に迫るQ値をもつ点欠陥共振器の設計に成功した．この共振器の存在下では，Er発光が約2600倍に増強されることがFDTD法により示唆された．
また，試料作成の条件だしも開始しており，電子線レジストへのパターン描画の評価を行った．上面形状は良好であったが，断面形状を見るとテーパー角(空気孔側壁の傾き)がついており，改善の余地がある結果であった．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は計算機シミュレーションによる試料設計を行い，ほぼ完了した．また，試料作成の条件だしも開始しており，問題点を洗い出すことができた．さらに，翌年度の計画である光学特性評価に必要な光学測定系の構築にも取りかかっており，ほぼ完成形に近い形まで構築することができた．翌年度早々に光学測定に取りかかることが可能であると考えられ，研究はおおむね順調に進展しているといえる．
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| 今後の研究の推進方策 |
実際の試料作成プロセスにおいて重要な電子線描画において，テーパー角に問題があることが明らかになった．これは描画及び現像の条件を工夫することで低減することが可能なため，適切な条件探索を行っていく．また，もう一つの重要なプロセスであるドライエッチングによるパターン転写も適切な条件探索が必要であり，今後進めていく．また，本研究の目標の一つであるレーザー発振においては高いQ値をもつ共振器の作製が重要であり，このために設計Q値(ある構造に対してFDTD計算によって求まるQ値)をなるべく高める必要がある．このために，これまで採用してきたL3型から離れ，ヘテロ接合型と呼ばれる導波路をベースとした共振器構造を用いることで，さらなる設計Q値向上を目指していく．
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