本研究は,希土類添加半導体とフォトニック結晶の融合により,フォトニック結晶によって制御された光子モード下における希土類イオンの発光特性評価およびそのデバイス応用に向けた検討を目的とする. GaAsを母体とする2次元フォトニック結晶共振器中のErイオンの発光について,計算機実験により発光増強率を見積もったところ,共振波長と発光波長が揃っている場合,受けていない場合と比べて3.4倍発光が強くなるという結果が得られた.一方実測では,計算による予測を上回る20倍という発光増強率が得られた.これは,計算では考慮されていない要素,例えば発光体同士の相互作用による超放射などが生じていることを示唆している.
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