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2016 年度 実績報告書

金属置換再構成Pcを用いた光化学系I-Pc複合体の精密結晶構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 26870354
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

河合 寿子 (久保田寿子)  基礎生物学研究所, 環境光生物学研究部門, 特別研究員 (10599228)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード光化学系I / プラストシアニン
研究実績の概要

光合成生物の生体内で起こる光化学系I(PSI)の[還元→光吸収→電荷分離→内部電子伝達→酸化]反応のうち、光吸収とPSI内部の電子伝達反応については、PSIの結晶構造情報から詳細に明らかとなっている。しかしながら、PSIを酸化/還元する構造基盤は解明されていない。
PSIはプラストシアニン(Pc)、またはシトクロムc6によって還元され、Fdによって酸化される。これらは全て10kDa程度の水溶性電子伝達蛋白質であり、PSIと電子の受け渡しを行う際、一時的に弱い相互作用で電子伝達複合体を形成する。この複合体形成に誘導されてPSIと電子伝達蛋白質の双方が構造変化を起こし、電子伝達に最適な反応場が整えられる。その上で、双方の酸化還元反応中心が適切な距離と配向をもって配置されると考えられる。
私はこれまでに、PSI酸化メカニズムを構造的に理解することを目指してPSIとFdの複合体結晶構造解析を行った。そして、Fdの結合様式や酸化還元反応中心周辺環境からPSI酸化の構造基盤を解き明かした。次にPSI還元メカニズムを理解するためにPSIとPSIを還元する蛋白質の複合体結晶構造解析を進めた。上述の通り、PSIを還元する蛋白質は二種類存在しているが、反応中心金属が銅であり、金属置換再構成の実績があるPcをターゲットとした。これまでに報告されている高分解能PSIは好熱性シアノバクテリアのものであるが、この種はPcを利用しない。そのためPSIは常温性シアノバクテリアのSynechocystisを利用した。Pc結合前後の構造を比較する必要があるため、まずSynechocystisのPSI結晶構造解析を行った。精製したPSI三量体から良質の結晶を得ることに成功し、X線回折実験の後、分子置換により位相を決定して立体構造を得た。現在PSI-Pc複合体結晶化のスクリーニングを進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Ruhr-University Bochum(Germany)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Ruhr-University Bochum
  • [国際共同研究] Univ. Paris-Saclay(France)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Univ. Paris-Saclay
  • [学会発表] Hisタグを付加したCP47変異株を用いたAnabaena sp. PCC 7120光化学系Ⅱ複合体の精製とその特性2017

    • 著者名/発表者名
      倉持里佳子、片山光徳、遠藤嘉一郎、石井麻子、河合(久保田)寿子、小林康一、皆川純、和田元、水澤直樹
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      鹿児島県鹿児島市 鹿児島大学郡元キャンパス
    • 年月日
      2017-03-16 – 2017-03-18
  • [学会発表] サンゴ共生褐虫藻におけるPSI-LHCI超複合体の機能構造解析2017

    • 著者名/発表者名
      加藤弘樹、得津隆太郎、河合(久保田)寿子、Burton-Smith Ray、皆川純
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      鹿児島県鹿児島市 鹿児島大学郡元キャンパス
    • 年月日
      2017-03-16 – 2017-03-18
  • [学会発表] X-ray structure and NMR analysis of the electron transfer complex between Photosystem I and Ferredoxin2016

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Tanaka, Hisako Kubota-Kawai, Risa Mutoh, Kanako Shinmura, Pierre Setif, Marc Nowaczyk, Matthias Roegner, Takahisa Ikegami, and Genji Kurisu
    • 学会等名
      14th International Conference of the Asian Crystallographic Association
    • 発表場所
      Hanoi,Vietnam
    • 年月日
      2016-12-04 – 2016-12-07
  • [学会発表] シアノバクテリアの光化学系Ⅰとフェレドキシンの電子伝達複合体構造2016

    • 著者名/発表者名
      河合(久保田)寿子
    • 学会等名
      日本光合成学会
    • 発表場所
      東京都葛飾区 東京理科大学
    • 年月日
      2016-05-27 – 2016-05-28
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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