ドセタキセルは乳癌や非小細胞肺癌、胃癌などの悪性腫瘍の治療におけるキードラッグの一つであるが、浮腫、骨髄抑制、悪心嘔吐といった消化器障害、脱毛などの副作用が強い。薬剤溶出性ビーズを用いた肝動注化学塞栓療法は薬剤を腫瘍局所内で持続的に放出させることができるため、局所での高濃度および長時間の薬剤暴露を可能とし、一方で全身血中濃度は上昇しにくいことが予測され、副作用の低減が期待できる。本研究によりドセタキセル溶出性ビーズの薬剤動態や肝動注化学塞栓療法における安全性が明らかとなり、実際の臨床に応用する上で重要なデータとなることが期待される。
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