研究課題/領域番号 |
26870358
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
古谷 真樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 講師 (10725998)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 睡眠 / 生活リズム / ストレスコーピング / こころの健康 / 小学生 / 中学生 |
研究実績の概要 |
国立大学附属小学校の児童4年生から6年生を対象として調査を行い、進学校における健康教育プログラムを作成するための基礎的資料づくりをした。調査は、授業実施期間(7月)と夏季休業期間(9月)に行なわれた。その結果、両期間とも塾・習い事をしている割合は約90%、体育以外の運動習慣も約65%と多忙な生活が示された。規則的な朝食や夕食開始時刻から、家庭で生活習慣管理がされていることが伺える一方で、授業実施期間における平日の就床時刻が22時以降の割合は約70%、睡眠時間は8時間以下が約50%と、同年代の児童よりも就床時刻が遅く、睡眠時間よりも短いことが示された。授業実施期間、夏季休業期間ともに日中の居眠りや昼寝をする児童は約20%で、夏季休業中でも疲労が低減されていないことが示された。これらのことから、多忙な生活により、十分な睡眠を確保することができておらず、日中に居眠りや昼寝をすることで疲労を回復させている姿から、自分にあった睡眠時間と適切な仮眠のとり方についての知識を獲得し、実践できるよう、支援する必要性が指摘された。
心身疲労については、授業実施期間の調査では、約60%の児童が「あくびがでる」ことを自覚していた。「眠い」、「目が疲れる」も約40%の児童が自覚していた。夏季休業期間においても同様の結果が示されたことから、児童の慢性的な疲労が伺えた。また、自覚症状数が多い児童ほど、睡眠の質が良好でないことが示された。一方で、ストレスへの対処方法としては、「放棄・あきらめ」が最もよく使用されており、積極的な対処方法は、あまり使用されていなかった。これらのことから、多忙な生活の中で経験するストレスへの対処方略の種類を増やしていくことで、全般的に生活の質を改善していく必要性が指摘された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、小学生を対象として調査を行い、その結果に基づいた健康教育プログラムの土台作りを養護教諭と連携しながら行なった。また、講演会をはじめとする単発の健康教育の効果と問題点を明らかにし、論文に発表した。単発の健康教育では、知識の獲得と意識の向上はみられるが、実際の生活時間帯の変化は示されなかったため、セルフモニタリングや行動変容を促す介入の必要性が指摘された。次年度以降は、これらの手法を用いた健康教育プログラムを実施し、その効果を評価していく。
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今後の研究の推進方策 |
小学生においては、養護教諭と体育教諭と連携しながら、ストレス低減と生活リズム改善を行なう健康プログラムを実施し、日誌および生活習慣記録機、心拍計を用いてその効果を評価する。中学生については、小学生の問題点も考慮しながら、調査の実施とそれに基づく健康プログラムを養護教諭と体育教諭と連携しながら作成する。さらに、プログラムを実施し、効果を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力および解析に時間がかかり、謝金が予定していた額よりも必要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
人件費は確保しつつ、消耗品等の支出を抑えることで調整する。なお、ボタン電池等の消耗品の多くはすでに購入しており、調整可能である。
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