研究課題/領域番号 |
26870362
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西田 健志 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20582993)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 消極性デザイン / コミュニケーションデザイン / 異文化コラボレーション / 国際コミュニケーション / 英会話 / チャットシステム |
研究実績の概要 |
・発話速度や発話単語数といった成長を実感しやすい数値指標をフィードバックすることによって一人で毎日少しずつ継続的に練習しやすくすることを狙った英語発話練習システムをデザインし、PCで動作するプロトタイプシステムを開発して2週間にわたってのユーザテストを行った。本研究の趣旨通り、英会話に自信がない人でも気後れせずに練習できる効果は期待できるが、スマートフォンや通知機能を利用するなど、より日常習慣として利用しやすくなるような改良が必要であることが確認された。 ・2年目までに行ってきたチャットシステムの運用や会話ログの分析研究を踏まえ、積極的に会話に参加する人と参加に消極的な人とがよりバランスよく共存することを狙ったチャットシステムのデザインと開発を行った。本システムは、複数の参加者をまとめたチーム単位で参加度を表示することで一人一人に過度のプレッシャーを与えることなく参加したいという気持ちを引き出そうとするデザインとなっている。本システムは学会において議論するためのシステムとして運用されたほか、本システムについてHCI研究会およびWISSにて研究発表を行っている。 ・本研究の他分野への応用として、少人数対面状況において、気後れしがちな伝えにくい内容を伝えるコミュニケーションを支援するシステムの研究を行った。本システムについてはスマートフォンで動作するプロトタイプを利用した初期的な評価実験を行いHCI研究会にて研究発表を行っている。 ・本研究の骨子であるユーザの消極性に配慮したデザインに共感する複数の研究者との議論を深め、共著で「消極性デザイン宣言」を出版するなど研究成果の広報促進を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各サブテーマについて実運用に十分耐えるレベルのプロトタイプシステムを開発することができたため、実際の利用状況に近い評価実験を実施して知見を得ることができ、さらに研究を進めるための基盤も整っているから。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度は、これまでの研究で得られた知見と開発したプロトタイプシステムを最大限に活用し、実用化に向けた研究開発および全体的な知見の発表を中心的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
ユーザテスト期間を当初計画よりも短期間としたことなどが主な理由であり、次年度に実施する実験等で使用される予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
実験を行うための謝金や人件費および、学会参加のための旅費や雑誌論文掲載料等の成果発表に伴う費用を中心に支出する。
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