本研究では、英会話の練習において相手が必要であることや発音の流暢さなどを過度に気にし過ぎてしまう心理的な負担を軽減する手法を模索した。具体的には、情報機器を相手として少しずつ気軽に行える英会話練習、気になってしまう発音を変換してしまうプログラムを利用して行う英会話練習についてプロトタイプを開発し、その効果を評価してきた。当初の研究計画を1年延長した最終年度には、これらの研究成果を実用場面に取り入れるための開発と実証研究に取り組みつつ、さらなら研究に向けての検討を行った。 ・日常的に英語を使用する機会が少ないことが日本人の英語学習のモチベーション維持を難しくし、実際に外国語を使用する場面での緊張につながっていると想定される。そこで本研究の応用として、日常的に利用するコミュニケーションシステム上での会話をきっかけとして英語に習慣的に触れることができるチャットボットを開発した。本年度から、このチャットボットの効果を検証するため、研究室での運用実験に加え、高校生を対象とした科学教育プログラムROOTでの運用実験を行なっている。これらの結果については現在分析を進めているところであり、近く発表できる見込みである。 ・最近普及しつつあるスマートスピーカーは、日常生活中に気軽に機能を起動させることができる点でひとつ心理的な負担を軽減できることから本研究との親和性が優れているものと考えられる。そこで、本研究の成果を応用したスマートスピーカー向けのアプリケーションの開発に着手し、起動方法と学習習慣の関係について調査を進めた。
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