食道扁平上皮癌の発癌初期段階にマクロファージが関与する可能性を検討するため、本研究ではヒト食道正常扁平上皮細胞株Het-1Aとヒト単球性白血病細胞株THP-1由来マクロファージとの間接共培養系を確立した。共培養後のHet-1Aでは増殖能・運動能が亢進し、これにはp38 MAP kinase経路の活性化やIL-6の分泌亢進が関与していた。食道扁平上皮癌の前癌病変である食道上皮内腫瘍でリン酸化p38 MAP kinaseとIL-6の免疫組織化学を施行したところ、一部の腫瘍細胞でこれらの分子が陽性となった。
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