神経細胞への分化時に未分化細胞が一部残存する分化抵抗性のヒトES/iPS細胞株で高発現しているヒト内在性レトロウイルス(HERV)関連遺伝子Aについて、様々ながん細胞株における発現を調べたところ、胃、大腸がん細胞株の約半数で発現が認められた。遺伝子AのLTR7プロモーターの下流でGFPが発現するコンストラクトを作成し、特定のがん細胞株における発現細胞の割合を調べたところ、数%の陽性細胞が観察された。今後は各がん細胞株における遺伝子AのLTR7部分の配列の違いを比較することによって、HERV-H関連遺伝子の発現制御機構の一端を明らかになることが期待される。
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