酸化物材料(非晶質InGaZnO)に生体超分子により形成したナノ構造を埋め込み、熱電特性の改善を行った。ナノ構造導入の結果、ゼーベック係数は減少するが導電率は増加し結果として性能が約3倍改善された。高密度ナノ粒子を導入した試料ほど改善効果が大きく見られた。また粒子材料によって顕著な違いが見られなかった。この結果から、ナノ構造による特性改善は、熱電材料とナノ粒子界面で形成された欠陥が起因していると考えられる。さらにInGaZnOと透明電極を使用して素子の試作を行い透明熱電変換素子が実現できることを示した。これらの結果は、透明性やフレキシブル応用といった特殊用途の熱電材料として利用可能である。
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