• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

ソーシャルメディアによる自殺関連情報の拡散は、自殺を引き起こすか?

研究課題

研究課題/領域番号 26870387
研究機関岡山大学

研究代表者

三橋 利晴  岡山大学, 大学病院, 助教 (30716890)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード自殺予防 / ソーシャルメディア / Twitter
研究実績の概要

昨年度、ホットリンク社の「クチコミ@係長」を用いて入手したソーシャルメディア(Twitter)のデータ(平成23年1月1日~平成26年12月31日の日時推移データ)を元に、時系列分析を行なった。データの抽出のための検索語は次のような条件とした。条件1「自殺 or 自死」、条件2「条件1 and (予防 or 防止 or 対策 or 支援 or プロジェクト or シンポジウム or 会議 or パネルディスカッション or 討論)」、条件3「条件1から条件2を除く」。このうち条件2を「予防ツイート」と定義し、条件3を「関連ツイート」と定義し、これらの日時推移について検討した。
時系列分析では、「自殺予防に関する期間(自殺予防週間および自殺対策強化月間)においては、予防ツイートおよび関連ツイートが有意に変化しているのかどうか」という仮説を検証した。解析にあたっては、予測が出来うる限り正確に出来るようにARMA(AutoRegression MovingAverage)モデルを採用し、最も適切となるパラメータを推定した。この時、多数のモデル候補があったが、AIC(Akaike's Information Criterion)が最小になるモデルを採用した。この結果、予防ツイートは自殺予防に関する期間において、156件程度という少数ではあるが有意に増加していることが明らかになった。一方、関連ツイートは自殺予防に関する期間において有意な変化は認められなかった。この結果は、時系列分析で重要な定常性の検討が困難であったため、ARMAモデルが最良ではなかった可能性があるものの、自殺予防期間におけるソーシャルメディアの動きと捉える事に成功した結果と考える。この成果を平成27年11月に沖縄県宜野湾市で開催された第35回医療情報学連合大会(第16回日本医療情報学会学術大会)で口頭発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は、時系列分析は、サブ解析として行なうことのみを想定していたが、思いの外、学会発表での反響があったため、この研究成果も英文誌へ投稿するように予定を変更した。この時系列分析を英文誌に投稿するよう準備を進めているが、現時点では受理されておらず、この準備のため、作業量が増加し、全体として計画がやや遅れている。また、予定していた人口動態統計死亡票の取得が出来ていない。

今後の研究の推進方策

人口動態統計死亡票のうち自殺し某を統計法第33条の規程に基づいた提供の申し出を行ない、取得する。これを自殺に関する書込み数(Tweet数)のデータセットと連結させ、検討を行なう予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度は、その他(ツール利用料)は想定通りの使用額であったが、旅費・物品について、想定よりもやや安価であったため、次年度使用料が9,364円発生した。

次年度使用額の使用計画

平成28年度は、英文誌への投稿に際しての英文校正費用やオープンジャーナルへの投稿費用として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自殺予防期間中には自殺関連ツイート数の変動があるか?;時系列分析による検討結果2015

    • 著者名/発表者名
      三橋利晴
    • 学会等名
      第35回医療情報学連合大会(第16回日本医療情報学会学術大会)
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)
    • 年月日
      2015-11-02

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi