本研究は、患者由来iPS細胞を用いることで、十分量の顆粒球系細胞が入手できないという従来の問題点を克服し、好中球減少に至る分子病態のの基盤を明らかにすることを目的としている。 健常者コントロール、SCN(重症先天性好中球減少症)由来、CyN(周期性好中球減少症)由来のiPS細胞を樹立し、血清および支持細胞フリーでのiPS細胞から血液細胞、さらに顆粒球系細胞への分化誘導法を確立した。SCN-iPSにおいてはCD34陽性細胞のコロニー形成能や細胞増殖能が不良であり、早い分化段階からの障害が好中球減少の重症化を引き起こすことが示唆された。
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