本研究では、日本の大学における障害のある学生の支援現場に注目し、アクターネットワーク理論をヒントに、アクセシビリティ支援の仕組みを明らかにすることを目的とした。具体的には、複数大学での調査をもとに、主に人的支援に関して、支援に関わる要素をアクターとして捉え、アクター間の繋がりを分析するとともに、支援方法ごとのアクターの重要性について考察を加えた。 成果として、見落とされがちなアクターの重要性と、一見人に頼らざるを得ない支援方法を見直す可能性を指摘した。また、アクターの確保が難しい場合に、アクターの代替が行われており、このことが柔軟な支援方法の形成に繋がっていることを示した。
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