研究課題/領域番号 |
26870403
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
折橋 洋介 広島大学, 社会科学研究科, 准教授 (40711312)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 死因調査 / 死因究明 / 行政調査 / 事故調査 / 行政法学 / 公衆衛生 / 捜査 / 行政情報 |
研究実績の概要 |
本研究の分析軸は、大きく分けて、①死因調査制度の史的分析、②他の実定行政調査手続の構造分析、③行政調査論の理論的分析、④現行死因調査制度の実態的把握、⑤死因調査実施機関に関する行政組織法的分析、⑥行政による死因調査の法的意義の法理論的分析の6つを予定している。 これらのうち、平成28年度は、④現行死因調査制度の実態的把握及び⑤死因調査実施機関に関する行政組織法的分析を中心に研究を進めた。 特に,⑤死因調査実施機関に関する行政組織法的分析については,既に存在する,行政による,責任追及を目的としない,事故原因等調査のための機関のあり方を参考にしつつ,③行政調査論の理論的分析及び⑥行政による死因調査の法的意義の法理論的分析の現在進行中の検討状況を加味しつつ,既存の行政機関の所掌事務等からの議論の深化可能性を見い出しつつある。 なお,一昨年度より継続して,その他の分析軸からも研究を進めている。特に①の死因調査制度の史的分析に関しては,平成28年度において研究上重要な文献資料を入手することができている。このように主として理論的側面での研究は比較的順調である。 一方で,④現行死因調査制度の実態的把握に関しては,本研究採択後に実際の設置等が進められている死因究明等推進協議会が約半数程度の都道府県に設置開催等されつつあり,今後は同協議会の動向を中心に調査を進めるべきではないかと考えており,この点については若干の遅れが生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若干,現行の死因調査制度の実態的把握については,各地に赴いての情報収集等の調査が進められていないものの,その他の分析軸においては,史的分析を含めて順調に進んでいおり,全体としては,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
特に各地に設置等されつつある死因究明等推進協議会の動向及び実際の状況について,できれば年度の前半である程度まとまった情報を取得したい。その上で,本研究の各分析軸からの成果をまとめ,全体として一つの大きな成果に結びつけたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していなかった諸種の事情により,当初予定していた海外調査についてのまとまった日程が確保できず,およそ海外調査を目的とした旅費が次年度使用額として計上されている。
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次年度使用額の使用計画 |
海外調査のための外国旅費としての活用を検討してきたが,今年度その目途がたたないようであれば,死因究明等推進協議会等の国内調査のための旅費にあてて,研究を充実させたい。
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