脳振とうに代表される軽症頭部外傷は、単独では自然に改善するが、繰り返し受傷すると長期的に悪い影響が出る可能性がある。このメカニズムの詳細は分かっていない。この研究では、動物実験によりそのメカニズムを解明することを目的とした。 ラットに、2回の軽症頭部外傷を3時間空けて与え、そのあとに血液、髄液、脳組織を採取してそれぞれを用いて炎症性サイトカインであるIL6を測定した。血液中では1回目のあとに上昇し、その後はあまり上昇がみられなかった。髄液では1回目の外傷ではあまり上昇せず、2回目の外傷で著明に上昇した。脳組織のIL6の発現はIL6のmRNAで評価し、髄液と同様の変化を示していた。
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