研究課題/領域番号 |
26870412
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
行實 鉄平 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 准教授 (50449922)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 総合型地域スポーツクラブ / 障がい者スポーツ / アダプテッド・スポーツ / 連携・協働 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、昨年度(H27)、高知県の総合型クラブで既に障がい者スポーツ事業を導入している2つの事例地域において開発・実践した「アダプテッド・スポーツ(AS)ボランティア育成プログラム」を継続実践(申請者らの介入なしでの追加実践)し、その追加実践後にクラブマネジャー等に対するインタビュー調査を行い介入後の継続課題を明らかにすること、また、福岡県においても継続実践が未実施であった1つの総合型クラブにおいて高知県同様の実践・調査を行うこと、さらに、両県の各2事例(合計4事例)における実践(開発実践と継続実践)から得られたデータを基に、同プログラムの全体的な評価を行う場(会議)を両県で設定し、その評価プロセスを参与観察調査により明らかにすることを目的とした。 その結果、各県1事例の地域において「ASボランティア育成プログラム」の継続実践を行い、その追加実践プロセスを明らかにすることができた。具体的には、昨年度(H27)までに開発・実践した「講義(4時間)と実技(4時間)を2日間かけて実施した養成プログラム」を連携組織代表者との協議により、講義(4時間)の部分をビデオ視聴(上映)に改編した講習会を実施し、事例地域の総合型クラブが自前で講習会を開催するための取り組みを促すことができた。また、両県の各2事例地域における実践から得られたデータを基に開発・実施に関わった方々との全体評価会議を開催し、その評価プロセスを明らかにすることができた。具体的には、総合型クラブが自主的に実践できる規模や、参加者の満足度、同プログラム修了者がクラブのスタッフとして携わる様になったことなど、質・量ともに一定の評価(効果)を示していることが明らかとなった。一方で、日本障がい者スポーツ協会の認定資格との整合性や、一定規模の参加者の確保など、今後さらなる充実に向けての課題も明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
福岡県の2事例地域においては、連携組織代表者との協議を経て「アダプテッド・スポーツ・ボランティア養成プログラム」を開発でき、それを実践し、さらに、申請者の介入なしに同プログラムを開催するといった継続追加実践も完了することができ、その実施プロセスに関する各種データを収集することができている。また、高知県では2事例地域において同プログラムを開発・実施し、その内、1事例地域では継続追加の実践を完了することができている。さらに、両県におけるこれまでの実践プロセスで収集された各種データを基に全体的な評価会議を開催することができている。 しかしながら、高知県における1事例地域での継続追加実践が未実施(参加希望者を得られなかったため)となっている。また、当初の計画では、これまでの実践をすべて完了させ、その内容を整理した報告書の作成を行う予定であったが、上記の未実践の事例地域があることから、未作成となっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、当初の計画であった、高知県(1クラブ)での「アダプテッド・スポーツ・ボランティア養成プログラム」の継続追加実践を最後試みるとともに、これまでの実践データをまとめた報告書を作成することを試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額392,162円は、高知県の1事例においてプログラムの継続追加実践が未実施であったことから、それにともなう「研究協力謝金(実践講師、実践補助、データ入力作業等)」、「旅費」、「その他(会場使用料等)」が未執行となったため生じた。また、これまでの実践を整理集約した報告書が未作成であったことから、それにともなう「その他(印刷費等)」が未執行となったため生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、高知県で実施できなかった1つの事例地域での継続追加実践の再実施を検討するとともに、これまでの実践を整理集約した報告書の作成を予定している。よって、これらに必要な費用を執行する予定である。
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