固体地球の表層は複数の岩盤「プレート」によって覆われており,それらが相対運動することが地震や火山活動といった地殻変動を引き起こしている.プレート上の堆積物の供給源を高精度で解明することができれば,過去にそのプレートがどのように移動してきたかを明らかにすることができる.供給源の特定には鉛など重元素の同位体比を指紋として扱うことが有効であるが,照合に必要なデータベースが未整備であった.本研究では,日本列島が排出する堆積物の同位体比の空間変化,地質依存性と時間変動を明らかにし,東南海地震を引き起こすフィリピン海プレートの運動履歴を明らかにする上で有用な基盤データを整備することができた.
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