人の学びの多くの部分がインフォーマル学習として為されることが分かってきたが,その実態は現実の文脈で十分に分析されていなかった.本研究では,プログラミング教育の場面で,学習者のコンピュータ上での活動を網羅的に記録し,視覚化して多面的な分析が可能な履歴データベースを構築し,フォーマルな学習とインフォーマルな学習との関連について分析を行った.現実の半年間の学習者の活動を研究者が解釈することにより,学習者はフォーマルな学習の中であっても能動的にインフォーマルな学びを行うことが示唆された.また,履歴を用いて授業を準リアルタイムで診断することや,学習者が自身の学習を点検することへの応用可能性が示唆された.
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