研究課題
本年度は、3つのことに取り組み、そのうち2つの成果を挙げた。1つは野生動物に関する分析について取り組んだ。前年度からひきつづき、全国の野生動物による被害件数(または被害額)とそれを管理するために投入されている対策費用のデータを用い、野生動物管理の効率分析を行った。この分析結果は現在まとめているところであり、学会発表にはまだ至っておらず、これから行う予定にしている。2つ目は、生態系保全のための対策に関する研究である。沖縄県の久米島にはクメジマボタルと呼ばれる固有種が存在する。また久米島の周囲にはサンゴ礁が存在している。この久米島の固有種とサンゴ礁の生態環境に悪影響を与えるものとして、農地からの赤土の流出がある。本年度は、生態系保全のために必要な農家の赤土流出対策に関する意思決定の決定要因を分析を行った。その結果は"Farmers Decisions About Measures for Prevention of Red Soil Runoff and Planting Seasons of Sugar Cane in Kume Island Japan," としてMid‐Continent Regional Science Association 48th Annual Conference, June 7-9, 2017, Maumee Bay Lodge and Conference Center Oregon, Ohioで報告した。3つ目は、農地を用いた生態系保全についての研究に関して、1990年代から2016年までの研究をまとめた、「生物多様性保全政策の設計と評価―米国の事例に則して」有村俊秀、片山東、松本茂(編著)(2018)『環境経済学のフロンティア』日本評論社を発表した。
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