研究課題
前年度までの研究から、H6PD, PFKM, HK1, ALDOCといった解糖系関連遺伝子を候補として絞り込むことができた。絞り込みに使用した発現データはマイクロアレイ解析によって得られたものであったので、RT-QPCRによる再評価も行い、実際にRb依存的に老化細胞で転写活性化されることを確認した。同定したこれら解糖系遺伝子の発現制御メカニズムに関して考察するため、ChIP-seqデータを用いてRbタンパク質のプロモータ領域への結合の有無を検証した。その結果、RbはALDOC以外の遺伝子のプロモーター領域に直接結合していることが明らかとなった。さらにRbが直接結合するプロモーター領域の配列を結合転写因子予測ツールで解析したところ、CebpbやSp1といった転写因子の結合が予測された。これらの因子は実際にRbと協調的に遺伝子の転写活性化に働くことが知られているものであった。これらのことから、Rbは直接または間接的に複数の解糖系関連遺伝子の転写を活性化していることが分かった。これらRbのターゲットとなっている解糖系関連遺伝子のノックダウンを行ったところ、老化細胞における解糖系の活性化および下流のミトコンドリア好気呼吸の活性化がキャンセルされることが明らかとなった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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