研究課題
臨床的に有用な診断/治療マーカーがいまだ見いだされていない疾患が皮膚科/形成外科領域においても数多く存在する。毛根・毛髪は非侵襲かつ簡便に採取できるという点で血液や生検材料等と比較しても有用である。さらにそれぞれの疾患で特異的に増減しているmicroRNAに注目しその機能解析を行うのが今回の計画である。今回我々はmicroRNAがエキソソームにより保護されて細胞外で安定に存在しているのであれば、毛根、あるいは細胞成分がほとんど存在しない毛髪にもmicroRNAが存在し、その発現量がなんらかの疾患マーカーになるのではないかと仮説を立てた。毛髪中にmicroRNAが存在する事はすでに確認されており(Lefkowitz GK, et al. Plos one 2011)、我々もまた毛髪を溶かす事でmicroRNAを抽出することができ、また血清・毛根および毛髪中のmicroRNA量はそれぞれ相関せず、独立した新しい疾患マーカーとなりうる事を報告している(Wang Z, et al. J Dermatol Sci 2013)。そこで本研究計画において、我々は毛根・毛髪中のmicroRNAが様々な皮膚疾患のマーカーになる可能性を確かめたい。本年度、皮膚筋炎と健常者において毛髪microRNA濃度を測定し、正常対照群との比較検討を行い、毛髪microRNAが疾患のマーカーとなりうるかどうかを検討した。
2: おおむね順調に進展している
皮膚筋炎の毛髪におけるmicroRNA-214 (hsa-miR-214)の有意な上昇を認めた
他の疾患について検討を加え、疾患のバイオマーカーとしての有用性を評価する。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
International Journal of Dermatology
巻: 24 ページ: 1-5
10.1111/ijd.12958